Mail Magazine

 

News Topics

2009年03月14日 トピックス

EXPERIMENTAL SOUND & ART FESTIVAL 最優秀企画決定!

2009年1月21日~25日の5日間にわたり開催された「EXPERIMENTAL SOUND & ART FESTIVAL」の最優秀企画が決定しました。

 

本年度は、例年に比べ、パフォーマンスや映像とのコラボレーション、現代音楽など多種多様な企画の応募が多数ありました。その中から、さまざまなジャンルとサウンドを組み合わせた新しい音楽表現の企画が11企画入選し、1月21日~25日の5日間にわたって、TWS本郷にて11組が発表を行いました。さらにこの中から最優秀の企画を選び、入選者の次のステップアップとしてTWS渋谷での公演の機会を設けるための選考会を行いました。

審査会では、最優秀を選ぶにあたり、どの企画も創造的かつ実験的な企画であり、その実演水準も高く、今後の可能性という意味においても審査は大変難航しました。結果、今回は、最優秀を2企画とし、さらに新たに特別賞と奨励賞を設けることとし、下記のとおり賞を決定いたしました。
最優秀賞及び特別賞受賞者は、TWS渋谷にて、奨励賞受賞者は、TWS本郷にて、トーキョーワンダーサイト支援のもと公演の機会が設けられる予定です。また審査委員の提案により、奨励賞受賞者には、実演の機会を2回設け、トライアルを重ねることで、更なる飛躍をしていただきたいと思います。
今回惜しくも選ばれなかった企画も、これからの可能性が期待されるものばかりで、来年もぜひ応募していただきたいと思います。

【最優秀賞】
 寒川晶子 「虚像になるとき」
 つむぎね 「ね、」

【特別賞】  
 ゾルゲルプロ 「ゾルゲル音楽」

【奨励賞】  
 田中 翼 「情報技術時代のピアノ音楽」
 畑中明香 「変遷・音の行方 20世紀から21世紀へ」
 清水友美 「日記の断片~リュック・フェラーリ賛」
 鳥は卵の中から抜け出ようと戦う 「トーキョーワンダーサイト本郷の場合」


◎審査員からのコメント

■一柳慧 [作曲家、ピアニスト]
私が思っていたよりも、今回は多彩な表現の作品の応募が多くありました。そして音楽を通じて「いかに表現するか」ということよりも「何を表現するか」ということを、応募者の皆さんが意識していたことが印象的でした。音楽企画公募とうたっていますから、企画内容として音楽に比重を置きがちです。しかし「私は作曲家だから作曲だけでいい」とか「私は演奏するだけです」という枠に閉じこもらないで、企画したり、プロデュースしたり、つまり一人で何役もこなさなくてはならない大変さが分かったことでしょう。
今回の賞は選考が大変でしたが、最終的に実験性、継続性、コンセプトなどが評価の対象になりました。これからは音楽が主動して他のジャンルと交流を深め、よりひらかれた音楽表現があってもよいと思います。そのためにも異なった表現の可能性に向けてこの音楽企画公募に、ぜひどんどん応募してもらいたいと思います。

■山下洋輔 [ジャズピアニスト、作曲家]
TWSの審査員にお誘いを受けたのが、私にとっての作品応募のような体験でした。何しろ座長の一柳慧先生以下、ずらりと居並ぶ面々のすごいこと。作曲家、ピアニストの中川賢一さんはもちろんのこと、ICC学芸員の畠中実さんとTWS事業課長の家村佳代子さんの芸術に対する造詣の深さには感服しました。
応募作品も文句なく創造的で面白いものがほとんどで、それらを享受しつつ、皆様の意見を聞くことが出来たのは、かけがえのない勉強になりました。一番喜んで興奮していたのが私
だと思います。現代の最先端の芸術表現が世界からTokyoに集結し、Tokyoの受容と反応に合体して再び世界に発信されていく、その現場を確かに目撃しました。

■畠中実 [NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]学芸員]
今回の公募から、これまでのいわゆる「現代音楽」という枠を拡大したことで、より幅広い領域からの応募者からのバラエティに富んだ企画が多く集りました。創意に富んだ企画の数々に一次審査の段階から楽しませていただきました。
ただ「音楽企画公募」というタイトルがまぎらわしかったのか、演奏者自身が組んだ演目なり、作品そのものを審査するというものが多かったように思います。つまり「自分が何を演奏するか」ではなく、企画者、たとえばプロデューサーやオーガナイザーといった立場の応募があってもいいのではないかと思いました。実際の審査では、評価基準を決めることが非常に難しかったのですが、音楽的な技量というよりは、企画内容において審査がなされたといっていいと思います。この結果が、この公募の独自性を表すものになって、もっと幅広い領域にアピールして、今後活性化していくことを期待します。

■中川賢一 [ピアニスト、指揮者]
非常に多くのバリエーション、多様な作品の応募があったことを喜ばしく思います。今回の審査では、最優秀賞を選ぶことがたいへん難しかったです。各々の企画のアイデアの面白さと演奏のレヴェルのバランスがまちまちで、どこに比重を置いて賞を与えたらいいかということで、審査員みんなが悩みました。結果として、アイデアを重視して賞を選出しました。また、このプログラムが「若手支援」ということだったので、今回の発表から発展の可能性がある方に賞を与えました。このプログラムから大きくはばたいていってほしい、発展していってほしい、と期待します。選ばれた方は、次のコンサートで今から何倍も飛躍してもらいたいです。
とはいえ選ばれなかったからといって、悲観する必要はありません。来年、再来年も、より多くの作品、国際的な方からの応募を期待しています。

■家村佳代子 [トーキョーワンダーサイト事業課長]
TWSの音楽プログラムでは、世界的な演奏家によるコンサートを開くとともに、2004年より「Emerging Artist Support Program Music(若手音楽家支援プログラム)」をスタートし、若手の音楽家支援に力を入れて活動してきました。これは若手音楽家が新しい実験的な音楽企画から演奏までのオーガナイズを経験し、自らが活躍の場を見出し、新しいネットワークを形成するというものです。また、世界中から最高の評価を博しているアンサンブル・モデルン、国内外の作曲家、そして若い人々と世界中の経験豊富な芸術家や学者たちが集う場『インターナショナル・アンサンブル・モデルン・アカデミー』を継続的に開催しています。新しい音楽の可能性、新しい現場主体の教育の重要さを考えるシンポジウムやレクチャー、国内外の一流の演奏家から学ぶワークショップやマスタークラスなども実施し、このような音楽プログラムが活動する流れの中で、2006年より「若手音楽家支援プログラム」の音楽企画公募が始まりました。
3回目を迎える今回は、国内外に向けて広くジャンルを超えた、多種多様な音楽の融合による刺激に満ちた新しい企画を表出させることをコンセプトにした「EXPERIMENTAL SOUND & ART FESTIVAL」として公募を行いました。パフォーマンスや映像といった他ジャンルと音楽のコラボレーションなど、斬新な試みを行う音楽企画が多数応募され、選考の結果、11企画が入選しました。審査におけるプレゼンテーションでの意見交換や、演奏する側と観客側の新しい関係をつくろうとする発表などを通して、応募者のみなさん自身が最大限のトライアルを試みようとする意欲や、演奏者同士が相互に刺激を受け合い、フェスティバルは大変盛り上がりました。また第一線で活躍される審査員の方々が最後まで若い人々の実験を見守ってくださったことは大変意味があり、この場を借りて感謝の意を述べたいと思います。
今回、最優秀賞に選ばれた企画に対して、来年度にTWS渋谷で公演の機会が設けられます。TWSは、若い芸術家が自由な発想から理想の実現へとつながる場、この音楽プログラムを通じて新しい実験的空間の場、そしてつくる側も見る側もともに意見を交わし育っていく場として、東京から世界に向けて発信していきます。

TOP