日豪交流年を記念して企画されたこの企画は、オーストラリアの現代アートシーンの最前線を紹介するとともに、トーキョーワンダーサイトが2006年11月にオープンしたTWS青山・クリエーター・イン・レジデンスの開館記念プロジェクトとして、オーストラリアのアーティストが東京に滞在し、交流、制作の元に展覧会を開催するものです。ビジュアル・アートとともにオーストラリアの現代音楽シーンも紹介し、最前線のアートと現代音楽のコラボレーションによる領域横断作品もワークショップ形式で紹介しながら、オーストラリアのアーティストと日本のアーティストのダイアローグの機会を提供したいと考えています。
招聘作家は横浜トリエンナーレでも紹介されたショーン・グラッドウェル、クレイグ・ウォルシュ。ふたりともアプローチは異なりますが、都市との関係が大きなテーマとなっています。グラッドウェルは現代の都市に身体のムーブメントを挿入し、都市を生きるわたしたちのエモーショナルな衝動をスローモーションの手法で鮮やかに掴み取ります。ウォルシュは都市の中に意外性を持って作品を侵入させることにより、都市を形作るウィンドウや建物を生々しい生き物に変貌させます。そこでは人間や都市の深い欲望や関係性をも浮かび上がってきます。同時にTVムーア、ダニエル・クルックスのビデオ作品も紹介し、TV・ムーアの壮大な映画のワンシーンを切り取ったような映像は都市に生きる人の心の葛藤など映像の背後に潜む複雑なナラティブを想起させます。クルックスの目の前の景色を引き伸ばしたり、縮めることによって時間と空間が液状化するような作品は感覚や認識のあり方に疑問を投げかけることになるでしょう。
そして、いまや日本でもオーストラリアの現代アートの代表の一人として紹介されるマイケル・ライリーの作品も紹介します。彼のアボリジニの出自からキリスト教すなわち西洋文化に出会い、その両者が対立も妥協しあうのでもない、深い個人の内面の底でのみ成立する静謐で安らかな世界観と出会っていただきたいと思います。
現代音楽プロジェクトは、エリジオンのリーダー、ダリル・バックリーとリザ・リムを招き、ビジュアルアートと音楽のコラボレーションで生まれた実験的な作品を紹介するとともに、日本の若手作曲家、演奏家たちへのワークショップが行われ、最終日にはコンサートも行われます。
日豪交流年は交流の始まりのきっかけだとトーキョーワンダーサイトは考えています。今後、ここをプラットフォームとする様々な交流を通して多くのダイアローグが生まれることを期待しています。
レッスン・レクチャー:
日時:2007年2月15日(木)~2月17日(土)
※リザ・リムの急病により12月開催予定の日程が変更しました。
会場:TWS青山:クリエーター・イン・レジデンス
受講料:作曲・演奏コース受講生 5000円(定員各コース10名程度)
全日程聴講生 2000円
レクチャー聴講 各500円
シンポジウム・ファイナルコンサート:
日時:2007年2月17日(土) 17:00~
会場:トーキョーワンダーサイト渋谷
料金:1000円